NPO法人の9つの要件
最終確認日:2026年10月30日 / 根拠:特定非営利活動促進法(令和7年6月1日施行の改正後)第2条・第5条・第11条・第12条・第15条・第16条・第18条〜第21条・第32条・別表
NPO法人(特定非営利活動法人)として設立の認証を受けるには、次の9つの要件をすべて満たす必要があります(特定非営利活動促進法第2条第2項・第12条第1項)。
| 区分 | 要件 |
| 目的・活動 | 1 特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること |
| 2 営利を目的としないこと |
| 3 宗教活動を主たる目的としないこと |
| 4 政治活動を主たる目的としないこと |
| 5 特定の公職の候補者、公職にある者又は政党の推薦・支持・反対を目的としないこと |
| 社員 | 6 社員が10人以上いること |
| 7 社員の資格の得喪に関して不当な条件を付さないこと |
| 役員 | 8 理事3人以上・監事1人以上を置き、役員報酬を受ける者が役員総数の3分の1以下であること |
| その他 | 9 暴力団でないこと、暴力団やその構成員等の統制の下にある団体でないこと |
1 特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること
「特定非営利活動」とは、次の20分野の活動に該当し、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものをいいます(同法第2条第1項・別表)。「不特定かつ多数のものの利益」とは、利益を受ける人が特定されない多数の人の利益、つまり公益のことです。
- 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
- 社会教育の推進を図る活動
- まちづくりの推進を図る活動
- 観光の振興を図る活動
- 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
- 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
- 環境の保全を図る活動
- 災害救援活動
- 地域安全活動
- 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
- 国際協力の活動
- 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
- 子どもの健全育成を図る活動
- 情報化社会の発展を図る活動
- 科学技術の振興を図る活動
- 経済活動の活性化を図る活動
- 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
- 消費者の保護を図る活動
- 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
- 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動
各分野の活動の例は「NPO法人とは」をご覧ください。
2 営利を目的としないこと
- 非営利とは、活動によって剰余金・利益が生まれても、それを社員や役員に分配しないことです。
- 寄付金・補助金・助成金だけでは運営の基盤が弱くなるため、特定非営利活動に係る事業に支障がない限り、それ以外の事業(「その他の事業」)で収益を上げることもできます。利益が生じたときは、特定非営利活動に係る事業のために使わなければなりません(同法第5条)。
- 解散したときの残余財産は、社員や役員に分配できません。定款で帰属先を定める場合は、他のNPO法人、国・地方公共団体、公益社団法人・公益財団法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人の中から選びます(同法第11条第3項)。定款に定めがないときは、所轄庁の認証を得て国や地方公共団体に譲渡でき、処分されない財産は国庫に帰属します(同法第32条)。
3 宗教活動を主たる目的としないこと
宗教の教義を広め、儀式行事を行い、信者を教化育成することを主たる目的とすることはできません(同法第2条第2項第2号イ)。これは宗教法人の分野です。
4 政治活動を主たる目的としないこと
政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とすることはできません(同号ロ)。個別の政策の推進や政策提言は、「政治上の主義」の推進にはあたらないとされています。
5 選挙活動を目的としないこと
特定の公職の候補者(候補者になろうとする者を含む)、公職にある者、政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とすることはできません(同号ハ)。「公職」とは、公職選挙法第3条に定める衆議院議員・参議院議員、地方公共団体の議会の議員と長(知事・市町村長)の職のことです。
6 社員が10人以上いること
- 社員とは、NPO法人で働いて給料をもらう従業員・職員のことではなく、社員総会で表決権を持つ構成員(一般に「正会員」と呼ばれます)のことです(同法第12条第1項第4号)。
- 社員は、個人でも法人・団体でもよく、国籍や住所地の制限はありません。
- 社員は、理事や監事を兼ねることができます。
7 社員の資格の得喪に不当な条件を付さないこと
誰でも自由に社員になることができ、また辞めることもできるという、自由意思による加入・脱退を保証する必要があります(同法第2条第2項第1号イ)。
8 役員に関すること
役員の人数と職務
- 理事3人以上、監事1人以上を置かなければなりません(同法第15条)。
- 理事は、すべて法人の業務について法人を代表します。ただし、定款で代表権を制限することができます(同法第16条)。理事は社員や職員を兼ねることができます。
- 監事は、理事の業務執行の状況と法人の財産の状況を監査します(同法第18条)。監事は社員を兼ねることはできますが、理事や職員を兼ねることはできません(同法第19条)。
役員の欠格事由
次のいずれかに該当する人は、役員になることができません(同法第20条)。
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わった日又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
- NPO法や暴力団対策法に違反したこと、又は刑法の傷害・暴行・脅迫・背任などの罪や暴力行為等処罰法の罪を犯したことにより罰金の刑に処せられ、その執行を終わった日又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
- 暴力団の構成員等(暴力団の構成員、又は暴力団の構成員でなくなった日から5年を経過しない者)
- 設立の認証を取り消されたNPO法人の解散当時の役員で、取消しの日から2年を経過しない者
- 心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として内閣府令で定めるもの
令和元年12月の法改正で、「成年被後見人・被保佐人」は欠格事由から外れ、心身の故障による個別の判断に変わりました。また、令和7年6月1日の刑法改正に合わせて、「禁錮以上の刑」は「拘禁刑以上の刑」に改められています。
役員の親族制限
それぞれの役員について、その配偶者又は3親等以内の親族が1人を超えて役員に含まれてはならず、また、その役員と配偶者・3親等以内の親族の合計が役員総数の3分の1を超えてはなりません(同法第21条)。
- 役員総数が6人以上の場合:役員1人につき、その親族1人までなら役員になることができます。
- 役員総数が5人以下の場合:役員の親族は、1人も役員になることができません。
役員報酬
- 役員報酬を受ける者は、役員総数の3分の1以下でなければなりません(同法第2条第2項第1号ロ)。
- 「役員報酬」とは、役員としての活動の対価として支払われる金銭・物品のことです。報酬の額に法律上の定めはありませんが、合理的な範囲を超えると、利益の分配とみなされるおそれがあります。
- 実費弁償としての交通費や、理事が事務局の職員を兼ねて労働の対価として受け取る給与は、役員報酬に含まれません。
9 暴力団でないこと
暴力団、又は暴力団やその構成員等の統制の下にある団体は、設立の認証を受けることができません(同法第12条第1項第3号)。
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社員・役員の構成や定款の内容が要件を満たしているかどうかは、設立の認証を受けるうえで重要なポイントです。行政書士事務所「オフィス石垣」が、要件の確認から定款・申請書類の作成、所轄庁(沖縄県)への設立認証の申請まで、NPO法人の設立手続きをサポートします。
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