深夜酒類提供飲食店とは
最終確認日:2026年10月30日 / 根拠:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第2条・第22条・第32条・第33条、同法施行規則第99条・第103条、同法に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令第24条、沖縄県風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例
深夜(午前0時から午前6時まで)にお酒を主として提供するお店(バー、居酒屋など)を営業する場合は、営業を開始しようとする日の10日前までに、営業所を管轄する警察署を経由して、都道府県公安委員会に「深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書」を提出しなければなりません(風営法第33条第1項、同法施行規則第103条)。
風俗営業の許可ほど基準は厳しくありませんが、場所によっては営業できない所もあります。
- ファミリーレストランなど、営業の常態として、通常主食と認められる食事を提供するお店は、深夜にお酒を提供しても届出は不要です。
- カラオケボックスなどが深夜にお酒を提供する場合は、深夜酒類提供飲食店営業にあたり、届出が必要です。
1 接待はできません
深夜酒類提供飲食店では、接待(歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと。風営法第2条第3項)はできません。
- 来店時に客席まで案内する、注文を取る、料理や飲み物を運ぶといった、飲食店で通常行う接客を超える会話やサービスが「接待」にあたります。
- たとえば、従業員が客の隣に座ったりお酌をしたりして談笑する、一緒にカラオケを歌う(デュエットする)、などが接待にあたります。
接待をするには、風俗営業(接待飲食等営業)の許可が必要で、許可がなければ無許可営業になります。風俗営業は原則として午前0時までしか営業できません(石垣市では、旧盆・年末年始の期間に限り、午前1時まで営業できます)。
風俗営業許可のお店と深夜酒類提供飲食店を同じ店で営業することは、法律上は可能ですが、実際には不可能と考えてください。
2 その他の禁止事項
深夜に客に遊興させること
店側が客に積極的に遊興をさせる行為(客にカラオケを勧めたり、ショーやビンゴ大会を開いたりするなど)を深夜に行うには、特定遊興飲食店営業の許可が必要です(風営法第2条第11項)。石垣市では、特定遊興飲食店営業はできません(県条例第22条)。客同士がカラオケを勧め合うなど、客が自発的に楽しむことは、これにあたりません。
午後10時以降の18歳未満の者
- 午後10時から翌日の午前6時までの間、18歳未満の者を客に接する業務に従事させてはいけません(風営法第32条第3項で準用する第22条第1項第4号)。従業員が年齢を偽っていても、雇う側には確認の責任があり、「知らなかった」では済まされません。
- 午後10時から翌日の午前6時までの間、18歳未満の者を客として立ち入らせてはいけません。ただし、保護者が同伴する場合は除きます(同項第5号)。
20歳未満の者への酒類・たばこの提供
20歳未満の者に酒類やたばこを提供してはいけません(同項第6号)。深夜営業かどうかにかかわらず、当然のことです。
客引き
深夜の営業に関して、店外で客引きをすること、客引きのために人の進路に立ちふさがったり、つきまとったりすることは禁止です(同項第1号・第2号)。適正な手続をとったうえで、路上でチラシや広告入りティッシュを配ることは、これにあたりません。
3 カラオケボックスの場合
カラオケボックスも、深夜にお酒を提供する場合は、深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要です。届出をしないと違法になります。
客室が2室以上ある場合は、1室の床面積が9.5�u以上必要です。9.5�uは約3m×3mなので、カラオケボックスの部屋としてはかなり広いと思います。最近はやりの1人カラオケの部屋では、とても9.5�uもないでしょう。その場合は、その部屋は深夜0時以降は使用しないなどの対応が必要になります。
4 営業できる地域(沖縄県)
沖縄県では、次の地域では深夜に酒類提供飲食店営業を営むことができません(県条例第27条)。
| 用途地域 | 深夜の酒類提供飲食店営業 |
| 第1種・第2種低層住居専用地域、第1種・第2種中高層住居専用地域(第1種地域) | 禁止 |
| 第1種・第2種住居地域、準住居地域 | 公安委員会規則で定める地域(第3種地域)は禁止 |
| 近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域、用途地域の定めのない地域 | 営業できる |
石垣市の用途地域は、石垣市用途地域MAPで確認できます。
5 営業所の構造・設備の基準
深夜に飲食店営業をする営業所は、次の基準に適合するように維持しなければなりません(風営法第32条第1項、同法施行規則第99条)。
- 客室の床面積は、1室9.5�u以上であること(客室が1室だけの場合は制限なし)
- 客室の内部に見通しを妨げる設備がないこと
- 善良の風俗や清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾などの設備がないこと
- 客室の出入口に施錠の設備がないこと(営業所の外に直接通じる出入口は除く)
- 営業所内の照度が20ルクス以下にならないこと
- 騒音・振動が条例で定める数値に満たないこと。沖縄県の深夜(午前0時〜午前6時)の騒音の基準は、住居専用地域・住居地域で40デシベル、近隣商業・商業・工業系の地域で50デシベル、用途地域の定めのない地域で45デシベル、振動は55デシベルです(県条例第26条・別表第1)。
平成28年の風営法改正で、以前の「ダンスをさせるための区画(踊り場)がないこと」という基準はなくなりました。
6 届出の方法
- 届出書に添付書類を付けて、営業所を管轄する警察署(石垣市・竹富町・与那国町は八重山警察署)を経由して、沖縄県公安委員会に提出します。
- 営業を開始しようとする日の10日前までに提出が必要です。
- 届出の手数料はかかりません。
- 届け出た事項(氏名、名称、住所、営業所の名称、構造・設備の概要など)を変更したときや、営業を廃止したときは、変更・廃止の届出が必要です(風営法第33条第2項)。
必要な書類
- 深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書(施行規則別記様式第47号)
- 営業の方法を記載した書類(別記様式第48号)
- 営業所の図面
- 営業所の平面図(平面図のサンプル。備品の配置や、客室などの床面積の求積が必要)
- 照明設備・音響設備・防音設備の配置図
- 椅子・テーブルなどの見取図
- 個人の場合は住民票の写し(本籍(外国人の場合は国籍等)が記載されたもの)
- 法人の場合は、定款、登記事項証明書、役員全員の住民票の写し
- その他、警察署から求められることが多い書類
- 営業所の周囲の略図
- 食品衛生法の飲食店営業許可証の写し
- 営業所の所在地の用途地域がわかる書類
- 営業所の賃貸借契約書の写し
- 建物の所有者や賃貸人の使用承諾書
使用承諾書とは
借りている店舗で深夜営業をすることを、建物の所有者や賃貸人が承諾していることを証明する書類です。所有者は昼間の飲食店に貸したつもりだったのに、実際は深夜の店だった、という事態を防ぐためのものです。深夜営業店も飲食店ではありますが、「深夜営業するなら貸さなかった」ということも考えられます。事前に「ここで深夜営業をしてよいか」を所有者や賃貸人に確認してから店を借りることが重要です。
すでに届出をして深夜酒類提供飲食店営業を営んでいる人が、同じ公安委員会の管轄区域内で別の営業所の届出をする場合は、上記のうち住民票の写し(個人)または定款・登記事項証明書・役員の住民票の写し(法人)を省略できます(内閣府令第24条第1号)。
7 費用
| 項目 | 金額 |
| 届出の手数料(警察) | 不要 |
| 当事務所の報酬(個人) | 88,000円 |
| 当事務所の報酬(法人) | 110,000円 |
| 食品衛生法の飲食店営業許可申請(あわせてご依頼の場合) | 55,000円 |
- 報酬額は消費税10%を含みます。
- 住民票の写しや登記事項証明書などの取得費用は、別に実費が必要です。
- 店舗の規模によって報酬を加算することがあります。
- 深夜酒類提供飲食店営業の届出の前に、保健所(八重山保健所)で食品衛生法の飲食店営業許可を取る必要があります。飲食店営業許可の申請手数料は、別に必要です。
当事務所におまかせください
深夜酒類提供飲食店営業の届出に必要な書類は数が多く難解で、特に営業所の平面図の作成は難しく、ご自身で届け出るには大変な労力と時間が必要です。行政書士事務所「オフィス石垣」が代理人となって、添付書類の収集から届出書類の作成、警察署への提出まで、すべてを行います。
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