布を海に晒している写真

八重山上布 宮古上布 越後上布 能登上布 近江上布 会津上布(からむし織)




白上布とは、イラクサ科の苧麻(ちょま)という草の繊維を手紡ぎ糸にして織った、基本的には白無地の麻織物のことを言います。
なかでも宮古上布(画像1)と八重山上布は、島が隣に位置し、同じ「上布」と呼ばれながらも、琉球王府の意向により、その色合いにおいて対照的な差が生じました(宮古上布(画像2)は紺地がベースの紺上布で、綾錆布/アヤサビフとも言い、シックでロウ引きしたような美しい光沢が特徴です)。
北国の上布も南国の上布も、製法にそれほど大差はありませんが、織り上げた布の漂白方法に地域性の違いが見られます。宮古・八重山(沖縄)では織り上げた布を海に晒して漂白させるのに対し、越後(新潟)では雪に晒すことで漂白するのだそうです。
上布で仕立てた服地は、軽く涼しくサラサラとした肌触りで、暑い八重山の夏を快適にしてくれます。
全国にいろいろな上布が存在するなかで、ここでは八重山上布におけるデザインの一部をご紹介します。模様の一つ一つには、深い思いや意味までもが込められているそうですが、ここでは呼び名と直訳のみとさせていただきました。興味がおありでしたら、一度のぞいてみてください






八重山上布の図柄と呼び名

八重山上布の図柄のルーツは、おもに琉球王府から指示された「御絵図」(:みえず=王府お抱えのデザイナーによる、600種類以上からなる琉球絣の図案をまとめたデザイン画集)が基本となっています。そこに八重山人(やいまんちゅ)の自由なエッセンスが加わりオリジナル化したものもあるようです。
図柄を大別すると次のように分けられます。


上布と糸通し 反物の写真 波打ち際の写真

自然現象を抽象化したもの

五つ雲または丸い雲の図案1 五つ雲または丸い雲の図案2 水雲または流れの図案1 水雲または流れの図案2 水雲または流れの図案3 水雲または流れの図案4 チョマ(糸の原料)の写真

(1)、(2)「イッピギビーマ/五つ雲、丸雲」    (3)、(4)、(5)、(6)「ミジィウム/水雲 またはナガリ/流れ」


動植物を抽象化したもの

縦に飛ぶ鳥の図案1 横に飛ぶ鳥の図案2 飛ぶ鳥の図案1 飛ぶ鳥の図案2 一匹蛍の図案 二匹蛍の図案 海に晒された上布の写真

(7)「カシトゥリィ/経鳥 /一つ蛍 ※ジン=蛍」 (12)「フタジン/二つ蛍」

5つの点の図案 胡麻の実の図案 梅の花の図案1 梅の花の図案2 亀の甲羅の図案1 亀の甲羅の図案2 手うみ糸の写真

(13)「インヌページュームンジィ/犬の足跡十文字」 (14)「グマヌナリィタティカシィリィ/胡麻の実のような経絣」 (15)、(16)「ンミヌパナ/梅の花」 (17)、(18)「ビイク/亀甲型」


器物を抽象化したもの

蝶つがいの図案1 蝶つがいの図案2 豚のエサ箱の図案1 豚のエサ箱の図案2 豚のエサ箱の図案3 豚のエサ箱の図案4 機織り中の写真

(19)、(20)「バンジョー/番匠 ※番匠→蝶番=ちょうつがい」 (21)「トーニー/豚の餌入れ」 (22)「ミンチィキトーニー/耳付の餌入れ」 (23)「フタジントーニー/二つ蛍と餌入れ」 (24)「キタカサビィトーニー/桁重ねの餌入れ」

琴柱の図案1 琴柱の図案2 市松模様の図案 牛につけるクワの図案 風ぐるまの図案 古い硬貨の図案 上布と糸通しの写真2

(25)、(26)「クトゥヌンマ/琴の駒 ※駒=琴柱」 (27)「シチガーラ/市末 ※シチガーラ→市柄、※市"末"→イチマツ、=市"松"柄」 (28)「ウシィヌヤマ/牛に付ける畑犁 ※犁→鍬=くわ」 (29)「カジイマーレー/風車」 (30)「ジンダマ/銭玉」

井戸の枠の図案1 井戸の枠の図案2 かんぬきの図案 弓の矢の図案 物を掛ける道具の図案1 物を掛ける道具の図案2 複数の反物の写真

(31)、(32)「カーヌチィカ/井戸の枠 ※カー=井戸」 (33)「クヮンカキー/環掛け」(34)「ユンヌヤー/弓の矢」 (35)、(36)「カキジャー/物を掛けるもの」


その他(人に関するもの、または何らかの構成を抽象化したもの)

アミ目模様の図案 爪の形の図案 整えた眉の図案 整えた眉の図案 小さな羽の図案 ひし形の図案1 八重山上布の着物全景の写真

(37)「アンヌミー/網の目」 (38)「チィミヌカタ/爪の形」 (39)、(40)「マユヒキー/眉引き」 (41)「ハニビーマ/羽のようす」 (42)「ジューサンムチィリー/十三の群れ」

ひし形の図案2 ひし形の図案3 複数図案のミックス1 複数図案のミックス2 2つのタテ線の図案 2つのヨコ線の図案 機織り機の写真

(43)、(44)「ゴーマーイ/車座」 (45)、(46)「パナアーシー/端合わせ」 (47)「カシヒキサギー/経引き下げ」 (48)「ヌキィヒキサギー/緯引き下げ」





***あとがき***

皆さんはじめまして。このHPの作者と暮らしているネコの(「パイ」(=南・9歳♂)猫のパイ、「カジ」(=風・2歳半♂)猫のカジ、「チュラ」(=美ら・8ヶ月歳♂)猫のチュラ)と申します。
これは、機織りすらしたことがないまったくのド素人である飼い主が、興味とアコガレと勢いだけで乱暴に書いた「初心者HP」です。つたない表現にもかかわらず、最後まで読んでくださったアナタ、主人になりかわりましてお礼申しあげます。ありがとうございました。

猫のパイ猫のカジ猫のチュラ←種別:飼いネコ科/イシガキイエネコ系のMIX(←要するにバリバリの雑種です(~o~)♪)


制作にあたり、以下の文献およびHPを参考にさせていただきました。

参考文献*****『八重山の織物』 石垣市史編集委員会 編「石垣市史 各論編 民族 上」より抜刷 より

リンク先ページの詳細

八重山上布****銀座もとじHP−−−−−−−−−http://www.motoji.co.jp/knowledge/Waorimonogatari_1-05.htm

宮古上布*****宮古織物事業協同組合HP−−−http://miyako-jouhu.com/history.html

越後上布*****雪国観光園HP−−−−−−−−http://snow-country.jp/contents.php?id=157

能登上布*****織元/山崎HP−−−−−−−−http://www16.ocn.ne.jp/~notojofu/menu.html

近江上布*****金剛園HP−−−−−−−−−−http://www16.ocn.ne.jp/~kongouen/sub5.htm

会津上布*****福島県昭和村HP−−−−−−−http://www.vill.showa.fukushima.jp/making.stm








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