八重山の食材



冬瓜(とうがん)
冬瓜(とうがん)というのは「冬まで保存がきく瓜」という意味、夏野菜の一つで、ビタミンCを豊富に含んでおり、収穫期は6月から8月です。
味は淡白で、煮物、あんかけ料理、蒸し物、スープなどに向いています。最近は、低カロリーのダイエット食材としても注目されていますが、昔から利尿効果があることが知られていて民間薬として使われていました。
果実の中にある種はリノール酸を含み、漢方薬に配合されて、利尿薬、消炎剤、緩下剤としても利用されています。

パパイヤ
八重山では多くの家庭の庭に普通に植えてあり、フルーツとして食べるより青いうちに収穫してイリチー(炒めもの)などにして野菜として食べるほうがポピュラーです。石垣島のスーパーにも、細くスライスされているものが、売られています。

青パパイヤは産後の体力を回復させ、体を温め母乳の元である血液をきれいにして血行をよくするので、母乳の出がよくなると言われています。

紅芋(ベニイモ)
紅いもには、近年注目を集めている天然の赤紫色成分「ポリフェノール(アントシアニン)」や植物繊維、カリウムなどの栄養成分も豊富に含まれています。

最近では、お菓子作りにもよく利用されるようになりました。

ナーベーラ(へちま)
沖縄ではヘチマも立派な食材です。「痰(たん)一斗、ヘチマの水も間に合わず:子規」というのは内地の世界の話です。

最近は少なくなりましたが、昔はかなりの家庭が庭先の棚に這わせて作っていました。
料理法としては、味噌炒めやンブシー(味噌煮込み)がオススメです。

夏野菜で味噌汁の具としても、なーべーら(へちま)は大切です。食感は、ナスににているのですが、もっとサクサクした感じがします。

ゴーヤー(にがうり)
亜熱帯沖縄の夏野菜といえばゴーヤー(にがうり)で、夏になると農家の畑だけでなく、一般家庭の庭先にも植えられます。

ゴーヤーには、皮膚や粘膜の健康維持を助けると共に、抗酸化作用を持つ栄養素であるビタミンCが含まれており、他にも、ミネラルやカロテン等を多く含み、他の野菜とは一味違ったパワーを持っています。
ゴーヤーの苦みの正体は、苦み成分であるモモルデシンで、このゴーヤー独特の苦みには食欲を増す効果があると言われており、夏バテ防止としても多くの人に親しまれている沖縄野菜の代表選手です。

島らっきょう
島で採れる小ぶりのらっきょ、島らっきょ。
内地で春の畔道に自生する「ノビル」とよく似た味です。

これがコリコリしてとっても美味しいのです。鰹ぶしを削り、しょうゆをちょろっと垂らし、そのまま白ご飯といただくのも良し、少し手間をかけて、天ぷらにしてみると、これまたゴージャスな沖縄郷土料理の出来上がり。
調理法が簡単で、酒のつまみにもピッタリな島らっきょは、新妻の強い味方です。

島ニンジン
沖縄で採れる「島にんじん」は黄色で、ごぼうのように細長いのも特徴です。
旬は、10月から2月で、市場で出回りますが、あまりスーパーなどには並びません。
牛汁や豚汁などの汁物の具にされたり、チャンプルーなどの炒め物にも使います。
カロチンが豊富で体を温める効果があり、油と一緒に調理するとカロチンの吸収がよくなるそうです。
味は甘みがあり、くせのない味です。
炒める時は、島味噌を使います。「島にんじん」との相性もよく、香ばしい風味が楽しめます。

島豆腐
豆腐といえば、大豆を砕いてつくった搾り汁を煮てから、おからと豆乳に分けるのに対し、沖縄の「島豆腐」は、搾り汁そのものから「おから」と豆乳に分けます。
大豆を生のまま使うため、旨みや栄養成分が多く含まれ、タンパク質含有量も多くなります。
こうして作られた豆乳にニガリを加え、ゆし豆腐(おぼろ豆腐)を作ります。ゆし豆腐は、大豆の風味が濃厚で本土の木綿豆腐の1.3倍もの良質の大豆タンパク質が含まれています。水切りしなくても崩れにくく、炒め物のチャンプルーなどに適しています。

石垣牛
平成11年に沖縄で開催されたサミットの夕食会で、クリントン前大統領も食して絶賛したという石垣牛。
それもそのはず、全国に名を轟かせる有名ブランド(但馬牛・神戸牛など)の半数は石垣で生まれ育った子牛たちです。石垣牛が「元牛(もとうし)」と呼ばれるゆえんですが、ここ数年、石垣牛をブランド化しようとする生産者の働きが追いつかないくらいの人気ぶりです。
石垣牛は、柔らかくて霜降りの味が濃く、一度食べると忘れ難い、と言います。
美しいコバルトブルーの海に囲まれた牧場で、南国の太陽の下、自然放牧でのびのび育つ石垣牛、このストレスに無縁の健康な牛肉が美味しくないわけがありません。

海ぶどう
海ぶどうは、「グリーンキャビア」とも呼ばれ、見た目と同じく歯触りはプチプチとしていて魚の卵にも似ています。宮古島以南に自生し、冷蔵保存はできず、また熱にも弱い海藻です。
つまり、寒さに弱く冷蔵庫に入れると溶けてなくなってしまい、また、熱してもすぐ溶けてしまう。じゃあこれはどうだ、と、水に浸けて置くと、今度は、浸透圧の関係で溶けてなくなってしまいます。なんとも保存の難しい海藻です。
モズクなどと同じように酢醤油などをつけて食べられますが、酢で和えてしまうと、粒がしぼんでしまいます。食べ方にもなかなかコツがいるようです。

もずく
「モズク」の全国生産量の約8割が沖縄産だということ知ってますか?沖縄人はモズクが大好き、毎日でも食べます。

もずくが注目され始めたのは、もずくのヌメリ成分「フコイダン」という多糖類。ガン細胞を消滅させる効果が確認されており。病原性大腸菌O−157の殺菌効果にも絶大な効果があるそうです。
悪玉コレステロールを減らす作用もあって、まさに沖縄の海から贈られたの「ちぬぐすり(命の薬)」です。

アーサー(アオサ)
沖縄の「アーサー」は、内地の”あおさ”のことです。
”あおさ”の正式名称は、ヒトエグサ(一重草)で、主に佃煮の原料として使われる海苔の一種、沖縄では、アーサー汁という吸い物が一般的ですが、三杯酢をかけて食べたり、サラダのトッピングに加えたり、イタリアン・フレンチの前菜の飾りに、アジアン風に使ってもGoood!です。

オレンジの10倍のビタミンCとキャベツの2倍のビタミンAを含むと言われます。

マンゴー
トロピカルフルーツ の女王の名にふさわしい、熱帯の風味を満喫できる果実。

「マンゴー」は、ビタミンA、ビタミンC、B-カロチン、ミネラルなどを多量に含む栄養豊富な果物です。
八重山では温室栽培され、5月下旬〜7月下旬に市場に出回ります。
その美味しさは、世界一と言っても差し支えありません。

島バナナ
小ぶりな姿からは想像もつかないほどの香りと酸味、深い甘み、一度食べたら病みつきになる、それが島バナナ。
傷つきやすいのと、生産農家が少ないため市場にはなかなか出回りませんが、石垣島では、公設市場の最前列で堂々と主役を張っています。
熟成が進むと現れる黒い斑点。それが甘味が増した食べ頃のサインです。
バナナには炭水化物が多く含まれ、消化もよく、汗をかくと大量に失われてしまうカリウムなども豊富なので、マラソン選手などが走る前にエネルギー源として食べられているそうです。時間がなくて朝食を食べない人や、病中病後で一度にたくさん食べれない人、また、お年寄りや赤ちゃんの離乳食にもオススメです。

パイナップル
沖縄といえばパイナップル、でも、パイナップルといえば石垣島!こう言い切ってしまうのは、私だけではないはず!?とにかく一度、石垣のパイナップルを口にしてみて下さい。南国の太陽をいっぱい浴びて亜熱帯土壌で育ったパイナップルには芳香があり、ほどよい酸味と甘くみずみずしい果汁が口の中いっぱいに広がります。
また、美味しいだけではなく、肉を柔らかくし消化を助けるたんぱく質分解酵素のブロメリンが含まれているほか、糖質の分解を助けて代謝を促すビタミンB1・B2・C、食物繊維やクエン酸も含まれています。
特に肉料理の後に、デザートとしてパイナップルをおすすめします。

ドラゴンフルーツ
その鮮烈な色に最初は誰もが驚きますが、個性的な見かけと違って癖がなく、さっぱりした味わいです。例えるなら、キーウィのような味でしょうか。
夏の暑い時期の夜に月下美人のような白い花を咲かせ、果実は楕円形で直径15Cmほどになります。
ドラゴンフルーツは、沖縄で本格的に栽培され始めてからまだ数年で、沖縄フルーツのニューフェイスとも言えます。
病虫害に強く、農薬をほとんど必要としないことと、ビタミンや繊維、ブドウ糖、そして体に有効なミネラルと数多く含んでいることから、健康フルーツとして注目を浴びています。

泡盛
沖縄ブームに乗って、内地では入手困難になる銘柄も出た「泡盛」、日本の清酒の製法と、原料になる米も麹菌(こうじきん)も大きく違います。「泡盛」は、タイ米からできていることをご存知ですか?
また、日本の清酒はうぐいす色の胞子をつけた黄麹菌が利用されていますが、「泡盛」は黒麹菌を用いています。黒麹菌は黒褐色の胞子をつけた菌のことです。これは沖縄だけにしかみられません。

あの独特の風味と味わいは、世界でも沖縄だけのものなのです。

マース(塩)
沖縄の塩は、ミネラルに富み、古くから自然製塩の健康食品として有名です。

石垣島では、エメラルドグリーンに輝く石垣の海から珊瑚礁に育まれた栄養豊富な海水だけを原料とし、独自の低温乾燥で海水からゆっくりと水分だけを除き、海水の栄養分そのままの自然海塩、「石垣の塩」が有名です。