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ヤシガニは八重山に生息する夜行性のヤドカリの仲間で、昼間は海岸に近い岩の割目や岩の下の穴の中を巣にして潜んでおり、夜8時頃を過ぎると、巣穴から出てきて海岸近くの森の中などで「アダン」の実やその他の木の実、果実を常食としているが、ときにはミミズや昆虫などの小動物も捕食する。
石垣島では、6〜10月にかけて海に降り波打ち際で体を揺すって海に産卵する。
ヤシガニの子は、海でプランクトン生活を送った後、2oほどの稚ガニに成長してから上陸し、森に入って陸棲生活を送るようになる。2〜3cmの幼生のころには森の中の地元で「マーニー」と呼ぶ椰子科の植物の網のような茎の中に隠れて身を守っている。
稚ガニ期に殻を背負っていることからオカヤドカリと混同している地元の人もいるが、オカヤドカリとはまったく別の生物で、ヤシガニの寿命は60年近くあると言われる。
しかし、実際に60年も個体の観察を続けた人が居るとは思えないので、その根拠は薄い。
ヤシガニは、最大で3〜4s近くになり、僕が現実に見たことのある最大のものは3.5s、全長70cm近くのもの、60歳寿命説がほんとうなら人間で言えば80歳を超えたオジイだろう。
図鑑では「最大1s」とも「最大3kg」ともあるが、少なくとも3.5kg以上にはなる。
僕は実際にこの目で見たことはないが、石垣島で過去に捕獲された過去最大のものは4.5s?あったそうだ。
八重山では、一昔前には、ごく普通に観られる生物だったが、近年は極端に固体数が減り貴重な生物になった。日本では、奄美大島以南に生息しているが、奄美や沖縄本島では乱獲により殆ど絶滅状態に近く、日本でヤシガニをまともに観ることができるのは今や宮古諸島と八重山諸島の一部の地域だけとなった。
どうしてこのヤシガニが乱獲されるかというと、ズバリ食べて旨いからだ。
八重山人はヤシガニを見かけると、ほとんど完璧に捕まえて茹でて食べてしまう。伊勢海老より美味しいという人もいるが・・・・・本当のところは珍しいだけで伊勢海老のほうがずっと美味しいと思う。
僕の知人が八重山でこのヤシガニを食べ、あまりに美味しかったので、帰りに生きたヤシガニを捕まえて内地に持ち帰った。土産話に友達を家に呼んでご馳走したところ、誰ひとり美味いと言わない、自分も食べてみたが、なるほど、たいしたことはない。「あれは八重山で食べたから美味しく思っただけだった。」というのが、その男の後日談である。
ヤシガニは、絶滅危惧種(環境庁指定の絶滅危惧II類)に指定されている貴重な種、もうそろそろ「食用」にするのだけはヤメタほうがいいと思う。このままヤシガニを食べ続ければ遠からず絶滅してしまうだろう。

自然界のヤシガニは3〜4ケ月に一度づつ脱皮しながら成長する。
脱皮期は殻が柔らかく非常にデリケートで、共食いにあわぬよう、脱皮期は1mほどの穴を掘って穴の中で脱皮し、1ケ月ほど穴の中で体力を回復してから地上に出てくるが、穴をちゃんと塞いでおかないと、後から別のヤシガニが侵入して脱皮中の抵抗できないヤシガニを食べてしまう。ヤシガニたちの世界は非常に生存競争が激しいのだ。
ペットブームで、東京のペットショップで20,000〜30,000円ほどでヤシガニを売っているのをみかけたが、ヤシガニを内地の気候で、しかも飼育箱の中で飼うのは無謀、こいつはやっぱり生息地(八重山)で、少なくとも10u以上の広さがあってヤシガニが「棲み分け」でき、かつ雨露も入ってくる亜熱帯の自然環境下の檻でしか飼育することは不可能だろう。
僕は3坪ほどの鳥小屋のような小屋を作り、ヤシガニが逃げないように周囲を1mほど掘り下げてコンクリートで囲い、金網で小屋全体を覆って30匹ほどのヤシガニを飼育したことがある。
それだけの大規模な施設を作って本気で飼っても、コンクリートより深い穴を掘って脱出するのも居れば、喧嘩や共食いで死ぬ個体も多く、せいぜい1年弱しか飼育できなかった。
ヤシガニは、10月下旬になると、巣穴の奥深くに潜って冬眠してしまう。次に出てくるのは3月初旬で、その間は食餌しない。とても60cm水槽などで飼育するのは不可能だ。
ヤシガニは雑食性で、ほとんどなんでも好き嫌いなく食べたが、一番の好物は「八重山そば」の麺だった。
飼ってみると、ヤシガニ君は夕方になるとゴソゴソ出てきて大きなハサミで餌を食べたり、両方のハサミを器用に使って水を飲んだりする。なかなか愛すべきキャラクターを備えており、頭脳もマンザラではないようで半年も飼えば人にも慣れる。 |
僕はヤシガニに催眠術をかけられる。ホントだよ。
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| ※催眠術にかかって寝てしまったヤシガニ 捕まえた! |
「ヤシガニ」という名はフィリピンあたりで椰子の実を食べることから来ているようだが、僕自身は、八重山でヤシガニが椰子の実を食べている姿は実際には見たことがない。
3月〜10月頃に八重山へ来れば運がよければ自然のヤシガニに出会えるだろう。
八重山のヤシガニをめぐっては、いろんな寓話や迷信が多い。
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@茹でて赤くならないヤシガニは毒があるから食べてはいけないという説
茹でて赤くならない甲殻類はいない。甲殻類に含まれているアスタキサンチンと結合しているタンパク質が加熱により変性してアスタキサンチン本来の赤色になるので、「茹でて赤くならない」というのはまったくの迷信だ。
赤くならないのは加熱が足りないからで、これでは誰でも食中毒になる。
また、ヤシガニは雑食性で、家庭の生ゴミから毒のある木の実、動物の死骸までなんでも食べる、これらに含まれる毒素や有害物質が、ヤシガニの腸などの消化器に蓄積するので、毒を持つ個体が多いのは事実、僕の知人には現実にヤシガニを食べて死にかけた人もいる。
ヤシガニを食べるときには、腸や胃などの消化器を丁寧に完全に取り除くことが必要だ。
Aヤシガニに挟まれたらライターの火で焙れば離すという説
挟まれた人がいて何度かそうしたが、まったく効き目がない、これも迷信。ヤシガニのハサミの力はとても強く、挟まれれば一大事、もし挟まれた時は慌てずにヤシガニの足を地につけ(ヤシガニを安心させて)水をかけてやれば、たいがいは離す。
Bヤシガニは子供の頃にはヤドカリと同じように貝に入っているという説
稚ガニ期に殻を背負っているというのは本当のようだが、海に産卵され、2mmほどの稚ガニに成長してから上陸し、森に入って陸棲生活を送るようになると言われていて、現実問題として、自然界で「2mmほどの稚ガニ」を発見することは不可能(ヤシガニはオカガニなどのように大量の固体居ない)で、僕が見たことのある最小の固体は2Cmほどのもので、当然、殻はなかった。
「貝に入っている」のではなくて、「ヤドカリの仲間なので、稚ガニ期には殻を背負っている」というのが本当だ。
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ヤシガニにまつわる寓話が八重山に多いのは、ともかくもヤシガニ君が八重山の人たちに愛されている証拠だ。
八重山の人にヤシガニのことを聞くと、誰もが「夜、海岸に行けば何処にでも居るさー」と言うが、現実には、ほとんど何処を探しても居ない。相当に個体数が減っているのは間違いない。
今では、石垣島でもほんの限られた場所にしか生息していないのだ。
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愛すべき珍獣 ヤシガニ君の隠れ家と逮捕まで |
ヤシガニ君に出会うには、夜10時過ぎの時間帯に浜辺に近い森に行き、琉球石灰岩の岩場や好物のアダンの林があるところ、湧水のあるところなどをを探すのがコツ。

アダンの木の下に食べかけのアダンの実がバラバラ落ちていれば、ほとんどヤシガニの仕業だ。
アダン林があって、かつ、近くに琉球石灰岩の岩場があるところを見つけたら、岩の割れ目・岩の下の穴(巣穴)・アダンの樹上などを懐中電灯で慎重に探して歩く。
要注意は、ヤシガニの生息地とハブの生息地・出没時間帯は、ほぼ同じだということだ。ジメジメした深夜の海岸近くの森林帯や岩場には必ずハブも居る。
初めての人や夜の沖縄の森林に入ったことのない人には、けっしてオススメできない八重山の夜遊びだ。

ヤシガニは何処にでも居るような奴ではなく非常に希少な個体なので、経験のない人が探しに行っても、まず100%会えないだろう。
ヤシガニに会いたい人が居れば、ご案内します。
☆3〜10月ならヤシガニに会える確立80%
私設かってに観光協会ガイド案内へ
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