ヒカゲヘゴの新芽
八重山の森にはスギやヒノキなどは育たず、森はシダ植物や椰子類の天下

ヒカゲヘゴ

八重山の森を構成している木は枝を横に伸ばすものが多く、森の中は薄暗く湿っている。
特に谷あいには湿気が多く、巨大なシダ植物、「ヒカゲヘゴ」が繁茂している。スギやヒノキは植えても育たない。

森にはハブが生息するため、人はあまり森に入ろうとしない。そのためか、森の中には珍しい動植物が何万年の時を経て今なお生き残っている。

ジュラシックパーク」に迷い込んだような錯覚を起こす大きなシダ植物、ヒカゲヘゴは、生きた化石であり、大きなものでは10メートルを超える。ワラビやゼンマイの仲間で、その新芽は、茹でてアク抜きした後、テンプラや酢の物にして食用にされる。
八重山では「カタツムリ」「コウモリ」「アダンの新芽」など、何でも食用にされた歴史があ.るが、それは、八重山の食文化が豊かだった証しではなく、薩摩や琉球王朝に搾取され続けた産業の少ない八重山が如何に貧しかったかという証しです。